札幌市は、北海道内で最も多くの民泊物件が集中しているエリアです。観光需要の高さや不動産市場の安定性から、民泊運営を検討する方にとって注目の地域といえます。今回は、札幌市が公表している統計データや調査報告をもとに、最新の民泊市場動向を整理しました。

📊 1. 札幌市の民泊 宿泊実績データ(最新)

札幌市は、住宅宿泊事業法第14条に基づき「宿泊実績」を公表しています。

公表元:札幌市経済観光局

データ内容:稼働日数、宿泊者数、届出数 など

最新年度:令和7年度(2025年度)速報値

👉 詳細はこちら(札幌市公式HP):
札幌市|民泊の宿泊(営業)実績について

💰 2. 民泊利用者の観光消費額

2019年に札幌市が実施した調査では、民泊利用者の経済効果が明らかになっています。

項目 数値
利用者1人あたり消費額 約 62,779円
民泊利用者総消費額 約 315億円
市内観光消費全体に占める割合 7.7%
生産誘発効果 約 449億円
雇用誘発数 約 31,884人

👉 出典:
札幌市「令和元年度 民泊利用者の動態・需要等調査報告書」

🏢 3. 物件タイプと運営形態の傾向

民泊事業者のデータによると、札幌市内の物件構成は以下のように分かれています。

アパート・マンション:約 40%

戸建て:約 20%

無人ホテル・簡易宿所:約 40%

特に「無人ホテル型」の施設は、観光需要の高まりと共に増加しています。

👉 参考:
MASSIVE SAPPORO事例(全国賃貸住宅新聞)

🌍 4. 北海道・全国との比較

全国の住宅宿泊事業の届出数(令和7年7月時点):53,133件

北海道は全国上位の民泊届出数を持ち、その 半数以上が札幌市に集中 しています。

👉 出典:
国土交通省|住宅宿泊事業の届出状況

北海道民泊ポータルサイト

✅ 5. 今後の民泊市場の見通し

札幌市の民泊市場には次のような特徴があります。

観点 傾向・ポイント
集中度 北海道の民泊物件の約半数が札幌市に集中
多様性 マンション・戸建・無人ホテルが共存
経済効果 市内観光消費の約1割を担う重要セクター
回復基調 コロナ禍を経て売上回復が鮮明に
リスク 用途地域制限・近隣トラブル・条例規制の影響あり

✍ まとめ

札幌市の民泊市場は、

物件数・利用者数ともに北海道トップ

経済効果が観光産業全体に波及

物件タイプの多様化・回復基調

という特徴を持っています。

今後、民泊を始める方は、最新の統計データを参考にしながら、 適切な立地・運営形態の選択 と 行政手続きの確実な対応 が成功のカギとなるでしょう。

👉 民泊の届け出・申請サポートに関する詳細は、札幌市の公式ページをご覧ください:
札幌市|住宅宿泊事業法(民泊制度)について

行政書士 加藤昌史事務所