目次 [ close ]
  1. 家賃滞納が発生したら最初に確認すること
    1. 確認したいポイント
  2. 家賃督促の基本的な流れ
  3. 督促状に記載したい7つの項目
    1. ① 宛名
    2. ② 対象物件
    3. ③ 滞納している家賃
    4. ④ 滞納金額
    5. ⑤ 支払期限
    6. ⑥ 振込先
    7. ⑦ 連絡先
  4. 【テンプレート①】初回の家賃督促状
    1. 家賃お支払いのお願い
  5. 【テンプレート②】再督促状
    1. 賃料お支払いについての再度のお願い
  6. 【テンプレート③】最終督促・内容証明を検討する段階
    1. 賃料お支払いの最終のお願い
  7. 督促状に書かない方がよい表現
  8. 督促状と内容証明郵便の違い
  9. 【現場コラム】「〇日に払います」で終わらせない
  10. 保証会社を利用している場合の注意点
  11. 家賃滞納対応チェックリスト
    1. 滞納を確認したとき
    2. 督促状を送るとき
    3. 督促状を送った後
  12. よくある質問
    1. Q 家賃を1か月滞納しただけでも督促状を送っていいですか?
    2. Q 督促状は普通郵便でもいいですか?
    3. Q 督促状に「支払わなければ契約解除」と書いてもいいですか?
    4. Q 滞納者が電話に出ない場合はどうすればいいですか?
    5. Q 督促状を無視されたら、すぐ鍵を交換できますか?
    6. Q 行政書士に督促状や内容証明を作成してもらえますか?
  13. まとめ|家賃督促で重要なのは「早期・定期・記録化」
  14. 家賃滞納・督促状・内容証明のご相談は行政書士 加藤昌史事務所へ
    1. お問い合わせ

「家賃が入金されていない。まず何を送ればいい?」

「督促状には、どこまで厳しいことを書いていいの?」

「内容証明郵便を送る前に、普通の督促状を出した方がいい?」

家賃滞納が発生したとき、不動産オーナー様が最初に悩みやすいのが督促の方法と督促状の書き方です。

家賃が入っていないと焦ってしまいますが、最初から強い言葉で督促することが適切とは限りません。

まず入金状況を確認し、電話やSMSなどで連絡したうえで、それでも入金がない場合には書面による督促を検討します。

私は不動産管理会社で20年以上、家賃管理、滞納督促、オーナー対応などの実務に携わってきました。

その経験から特に重要だと感じるのは、

「早く連絡する」「支払期限を明確にする」「記録を残す」

という3点です。

この記事では、家賃滞納時にオーナー様が使用できる督促状のテンプレートを、初回督促・再督促・最終督促の3段階に分けて紹介します。

あわせて、督促状を送る前の確認事項や、書いてはいけない表現、内容証明郵便へ切り替えるタイミングについても実務目線で解説します。

※この記事のテンプレートは一般的な参考例です。実際に使用する場合は、賃貸借契約の内容、滞納状況、保証会社の有無、これまでの経緯などに応じて調整してください。


家賃滞納が発生したら最初に確認すること

家賃の入金が確認できないからといって、すぐに「滞納者」と決めつけて督促状を送るのはおすすめできません。

まず、事実確認を行います。

確認したいポイント

  • 賃貸借契約上の支払期日
  • 指定口座への入金状況
  • 借主名義以外からの入金がないか
  • 家賃・共益費・駐車場料金などの金額
  • 保証会社の利用状況
  • 過去の滞納履歴
  • すでに支払約束をしていないか

単純な振込忘れや口座振替のトラブルということもあります。

まず事実を確認してから連絡することが大切です。


家賃督促の基本的な流れ

家賃滞納が発生した場合、一般的には次のような流れで対応を進めます。

段階主な対応
① 入金確認入金日・金額・契約内容を確認
② 初期連絡電話・SMS・メールなど
③ 初回督促督促状を送付
④ 再督促再度期限を設定して請求
⑤ 長期化保証会社・連帯保証人等を確認
⑥ 改善なし内容証明郵便などを検討
⑦ さらに長期化契約解除・専門家相談を検討
⑧ 退去しない必要に応じて弁護士へ相談

重要なのは、「〇か月になったら動く」のではなく、滞納が発生した段階から対応を始めることです。


督促状に記載したい7つの項目

督促状は長文にする必要はありません。

むしろ、相手が読んだときに、

「何が未払いで、いくらを、いつまでに、どこへ支払えばよいのか」

が分かることが重要です。

① 宛名

借主の氏名を正確に記載します。

法人契約の場合は法人名など、契約書の当事者表示を確認しましょう。

② 対象物件

物件名、号室、所在地などを記載します。

複数物件を所有している場合にも、どの賃貸借契約についての通知なのか明確になります。

③ 滞納している家賃

「〇月分家賃」など、対象期間を明確にします。

④ 滞納金額

家賃だけなのか、共益費や駐車場料金なども含まれているのか、内訳を確認します。

⑤ 支払期限

「至急」ではなく、具体的な期限を記載します。

⑥ 振込先

金融機関名、支店名、口座番号など、必要な情報を記載します。

⑦ 連絡先

すでに支払っている場合や、事情があって支払いが難しい場合に連絡できる窓口を記載します。


【テンプレート①】初回の家賃督促状

滞納が発生した初期段階では、いきなり強い表現を使う必要はありません。

振込忘れなどの可能性も考慮し、まずは確認を促す文面にします。

家賃お支払いのお願い

令和〇年〇月〇日

〇〇〇〇 様

賃貸人 〇〇〇〇

物件名:〇〇マンション〇〇号室

平素よりお世話になっております。

さて、上記物件の賃料につきまして、令和〇年〇月〇日現在、下記賃料のご入金を確認できておりません。

お手数ですが、ご確認のうえ、令和〇年〇月〇日までに下記口座へお振込みくださいますようお願いいたします。

【未払内容】

令和〇年〇月分家賃 70,000円
共益費        5,000円
合計        75,000円

【お支払期限】

令和〇年〇月〇日

【振込先】

〇〇銀行 〇〇支店
普通 1234567
口座名義 〇〇〇〇

なお、本書と行き違いで既にお支払いいただいている場合は、何卒ご容赦ください。

また、お支払いについてご事情がある場合には、下記連絡先までご連絡ください。

連絡先:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

以上


【テンプレート②】再督促状

初回の督促後も入金や連絡がない場合には、再度書面を送ることを検討します。

2回目は、初回よりも明確に支払期限を伝えます。

賃料お支払いについての再度のお願い

令和〇年〇月〇日

〇〇〇〇 様

賃貸人 〇〇〇〇

物件名:〇〇マンション〇〇号室

先般、未払いとなっている賃料についてお支払いをお願いしましたが、令和〇年〇月〇日現在、ご入金を確認できておりません。

現在の未払金額は下記のとおりです。

【未払内容】

令和〇年〇月分家賃 70,000円
令和〇年〇月分家賃 70,000円
共益費等      10,000円
合計        150,000円

つきましては、令和〇年〇月〇日までに下記口座へお支払いくださいますようお願いいたします。

【振込先】

〇〇銀行 〇〇支店
普通 1234567
口座名義 〇〇〇〇

期限までのお支払いが難しい事情がある場合には、そのままにせず、令和〇年〇月〇日までにご連絡ください。

なお、本書と行き違いで既にお支払いいただいている場合は、ご容赦ください。

連絡先:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

以上


【テンプレート③】最終督促・内容証明を検討する段階

電話、SMS、督促状などによる連絡を繰り返しても支払いがない場合には、内容証明郵便など、次の対応を検討する段階になります。

ただし、ここから先は契約解除などにも関係する可能性があるため、契約内容を確認せずに強い文言を書くことは避けましょう。

賃料お支払いの最終のお願い

令和〇年〇月〇日

〇〇〇〇 様

賃貸人 〇〇〇〇

物件名:〇〇マンション〇〇号室

これまで複数回にわたり未払い賃料についてお支払いをお願いしておりますが、令和〇年〇月〇日現在、下記金額のご入金を確認できておりません。

【未払金額】

令和〇年〇月分 〇〇〇〇円
令和〇年〇月分 〇〇〇〇円
令和〇年〇月分 〇〇〇〇円

合計 〇〇〇〇円

つきましては、令和〇年〇月〇日までに上記未払金額をお支払いくださいますよう、改めてお願いいたします。

また、期限までのお支払いが難しい事情がある場合には、同日までにご連絡ください。

期限までにお支払いまたはご連絡がない場合には、賃貸借契約の内容及びこれまでの経緯を確認したうえで、必要な対応を検討いたします。

なお、本書と行き違いで既にお支払いいただいている場合は、ご容赦ください。

連絡先:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

以上


督促状に書かない方がよい表現

家賃滞納が続くと、オーナー様が感情的になってしまうこともあります。

しかし、督促状は相手を威圧するための文書ではありません。

例えば、

「払わなければ鍵を交換します」

「荷物を全部処分します」

「会社や家族に滞納していることを知らせます」

「明日までに出ていってください」

といった表現は安易に使用しない方がよいでしょう。

督促状では、

事実・金額・期限・連絡先

を中心に、冷静に記載することが重要です。


督促状と内容証明郵便の違い

「督促状を送るなら、最初から内容証明にした方がいいのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、両者には役割の違いがあります。

項目通常の督促状内容証明郵便
主な目的支払いを促す重要な請求・通知の内容を記録する
初期督促利用しやすい状況により検討
送付内容の証明通常はなしあり
相手への印象比較的穏やか正式な通知として受け取られやすい
長期滞納段階的に対応利用を検討する場面あり

内容証明郵便そのものに、家賃を強制的に回収する力があるわけではありません。

その役割は、「いつ、どのような内容の文書を差し出したのか」を記録として残すことにあります。

したがって、内容証明は「強い督促状」というより、重要な意思表示や請求を証拠化する手段として考えた方が分かりやすいでしょう。


【現場コラム】「〇日に払います」で終わらせない

管理会社で家賃滞納の対応をしていると、

「給料日の25日に払います」

「来週必ず振り込みます」

という話は何度もありました。

ここで大切なのは、

支払約束を聞いて安心して終わらないことです。

例えば、

「〇月25日に75,000円を支払う」

という約束をした場合には、

  • 約束した日時
  • 約束金額
  • 対応した担当者
  • 借主との会話内容
  • 約束日の入金結果

を記録します。

そして25日になったら、必ず入金を確認します。

入金されていなければ、次の対応へ進みます。

不動産管理の現場では、この

「約束を記録する → 期限を管理する → 結果を確認する」

という作業が非常に重要です。

督促状を何通送ったかよりも、滞納発生からどのような対応をしてきたのかを説明できる状態にしておくことが大切なのです。


保証会社を利用している場合の注意点

保証会社を利用している物件では、オーナー様自身の督促と並行して、保証契約の内容を確認してください。

特に確認したいのは、

  • 滞納報告の期限
  • 代位弁済の手続き
  • 保証対象となる費用
  • 必要書類
  • 保証期間
  • 免責となる条件

などです。

「保証会社が入っているから放っておいても大丈夫」と考えるのは危険です。

保証会社ごとに契約内容や手続きが異なるため、滞納が発生した段階で保証契約を確認することが重要です。


家賃滞納対応チェックリスト

滞納を確認したとき

□ 賃貸借契約書を確認した

□ 入金履歴を確認した

□ 滞納額を正確に計算した

□ 借主へ電話・SMS等で連絡した

□ 保証会社の契約内容を確認した

督促状を送るとき

□ 借主の氏名・住所を確認した

□ 物件名・号室を記載した

□ 未払期間を記載した

□ 未払金額を記載した

□ 支払期限を明記した

□ 振込先を確認した

□ 連絡先を記載した

□ 感情的・威圧的な表現がないか確認した

督促状を送った後

□ 送付日を記録した

□ 借主からの連絡内容を記録した

□ 支払約束日を記録した

□ 約束日に入金確認した

□ 入金がなければ次の対応を検討した


よくある質問

Q 家賃を1か月滞納しただけでも督促状を送っていいですか?

まずは入金状況を確認し、電話やSMSなどで連絡する方法があります。

連絡が取れない場合や入金されない場合には、書面による督促を検討します。

大切なのは、何か月も放置しないことです。

Q 督促状は普通郵便でもいいですか?

初期の督促で普通郵便を利用することはあります。

ただし、重要な請求や意思表示を証拠として残す必要がある場合には、内容証明郵便などを検討します。

Q 督促状に「支払わなければ契約解除」と書いてもいいですか?

契約解除は契約内容や滞納状況、これまでの経緯などが関係します。

テンプレートだけを見て安易に解除通知を作成することはおすすめできません。

契約解除まで検討している場合には、専門家へ相談した方が安全です。

Q 滞納者が電話に出ない場合はどうすればいいですか?

SMS、メール、書面など、連絡方法を変えながら対応し、その履歴を残しておきましょう。

長期間連絡が取れず、滞納も解消されない場合には、内容証明郵便や専門家への相談を検討します。

Q 督促状を無視されたら、すぐ鍵を交換できますか?

督促状を無視されたからといって、オーナー側が勝手に鍵を交換して借主を締め出してよいわけではありません。

任意に退去しない場合には、適切な手続きを検討する必要があります。

Q 行政書士に督促状や内容証明を作成してもらえますか?

行政書士は、契約書やこれまでの経緯を確認したうえで、督促に関する書面や内容証明郵便などの作成をサポートできます。

一方、すでに紛争となっている相手との代理交渉や建物明渡訴訟などは行政書士が代理することはできません。

必要に応じて弁護士への相談を検討します。


まとめ|家賃督促で重要なのは「早期・定期・記録化」

家賃滞納が発生したとき、

「まだ1か月だから様子を見よう」

と放置することはおすすめできません。

家賃70,000円なら、

1か月で70,000円、3か月で210,000円になります。

滞納額が増えるほど、借主側も一括で支払うことが難しくなります。

そのため、

早期に連絡する

定期的に確認する

対応を記録する

ことが重要です。

督促状についても、最初から相手を威圧するような文章にする必要はありません。

まずは事実関係を整理し、

「いくらを、いつまでに、どこへ支払ってほしいのか」

を明確に伝えましょう。

それでも支払いがない場合には、内容証明郵便、契約解除の検討、専門家への相談など、状況に応じて次の段階へ進むことになります。


家賃滞納・督促状・内容証明のご相談は行政書士 加藤昌史事務所へ

行政書士 加藤昌史事務所では、

  • 家賃滞納時の督促書面の作成
  • 内容証明郵便の作成
  • 賃貸借契約書の確認・作成
  • 不動産オーナー・管理会社向けの書類作成

などのご相談を承っています。

不動産管理会社で20年以上の実務経験を活かし、単に書面を作るだけではなく、不動産管理の現場を踏まえた実務的なサポートを心がけています。

訴訟や相手方との代理交渉が必要となる場合には、弁護士への相談が必要となります。

行政書士 加藤昌史事務所では札幌市を中心にご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

行政書士 加藤昌史事務所
公式ホームページ

https://office-m-kato.com

家賃滞納時の督促状はどう書けばいい?オーナー向けに初回・再督促・最終督促の3種類のテンプレートを掲載。不動産管理会社で20年以上の実務経験を持つ札幌の行政書士が、督促状の書き方、記載事項、内容証明との違い、注意点をわかりやすく解説します。